以前にも紹介したSturdyですが、いくつかアップデートされていたので改めて解説していきます。

Sturdyとは

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Sturdyは、ステーブルコインを高い利回りで運用したり、無利子で借入できるDeFiレンディングプロトコルです。

すでにメインネットがローンチしており、貸し手は資産をdepositすることで利回りを得ることができ、借り手は担保を提供することでお金を借りることができます。

既存のレンディングプロトコルは、基本的に貸し手の利益は借り手の利息から得ていることが多いです。つまり、貸し手がより多くの利益を得るためには、借り手がより多くのお金を支払う必要がありますが、Sturdyで得る利回りは借り手の担保を運用することで利益を得るモデルとなっています。

どういうことかと言うと、借り手が担保として提供したトークンを、YearnLidoなどのプロトコルを通して利子付きトークン(ibToken)に変換します。このibTokenを運用することで利回りが発生し、その利回りは預けたトークンと同じトークンで貸し手に分配されます。

運用例は以下のような感じです。

・AさんがSturdyに100USDCを預ける。 ・Bさんは0.05ETHを担保にし、Aさんが預けた100USDCを借ります。 ・1週間後、Bさんの支払う手数料は一定のままですが、Aさんの利益は増え続けています。

これは具体的にどういう構造で利益が出ているのでしょうか。

・Bさんが0.05ETHを担保として預けると、SturdyはLidoを経由してETHをステーキングし、0.05 stETH(ETHの利回り版)に変換します。 ・Lidoに預けたETHが0.06に増えると、Sturdyは増えた0.01stETHの利益を40USDCに交換し、Aさんに利益を渡す(140USDC)

借り手 既存の融資プロトコルは、借り手が変動金利や一般的に高い金利を支払うことが多いです。Sturdyの場合、金利は0%に固定されています。

他のプロトコルは無利子ローンを提供しているが、それらは借入ポジションを返済する際に手数料がかかることが多く、これらのプロトコルの多くは独自のステーブルコインを鋳造し、ペグ・リスクを導入しています。これに対し、SturdyはUSDC、USDT、DAIといったすでに確立されたステーブルコインを借りることができる。

貸し手 Sturdyは、貸し手に高く安定した利回りを提供するように設計されています。Fantomでの例を見てみると、WBTCは現在Yearnで13%のAPYを獲得しています。仮に貸出資金の80%が借り入れであり、平均的な借り手の担保率は200%、Sturdyが発生した利回りに対して10%の手数料(「Vault fee」)を取る場合、貸し手は0.13 x 0.8 x 2 x 0.9 = 18.7% APYを獲得することになります。

これだけ見ると貸し手は安定した利回りで利息を得ることができ、借り手は手数料が発生しないのでメリットばかりのように感じますが、Srurdyは担保となる資金をYearnやLidoなどの他のプロトコルで運用することになるため、それらがハッキングされると担保を失ってしまう可能性があるのでそこは注意が必要です。

ERCとFantomに対応

以前紹介した4月の時はFantomのみ利用可能でしたが、現在はEthereumにも対応しています。

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